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Posted by みやchan運営事務局 at

2018年02月17日

ケアする人のケアセミナーin熊本






■共生社会をめざす学び
「ケアする人のケアセミナーin熊本」
2018年2月10日(土)
熊本市男女共同参画センターはあもに
  
主催:一般財団法人墨友生命福祉文化財団
   一般財団法人たんぽぽの家
    
支える人支えられる人という関係を超え、人の痛みに向き合うことのできる表現活動の実践から、支え合いの文化づくりに向けて学ぶ内容。
10時~16時まで、みっちりと、熊本県内に限らず、九州圏内、関西、北陸からも参加で熱い一日だった。
    
午前中は、全員一緒で3つのプログラムを見て聞いて、胸躍らせた。



  
午前の最初は、全国的世界的に有名な、89歳のアマチュアカメラマン、
熊本市在住の西本喜美子さんのお話しと自撮り作品の紹介。
72歳でカメラに触り、74歳でパソコン操作を覚えられ、とにかく思いついたら、自撮りをされて、パソコンで加工してネットに投稿。
思いつくアイデアが、なかなか思いつかないもので、素直に笑うものばかり。物干し竿に釣られたもの、宙を浮いて仏壇に手をあわせるもの、泥棒の格好のもの。西本さんは、おもしろいことを求めているだけなんですわー、と。カメラに向かい、パソコンで目指す画面にするために加工操作をしているときは、夢中で疲れなんか感じないと。
笑顔が実に魅力的で、お顔を拝見しているだけでも、こちらも頬が緩む感じだった。
  
午前の2つ目は、基調講演。
哲学者・教育学者で熊本大学教育学部准教授の 苫野一徳(とまのいっとく)さんのお話し。
自身が18歳の頃に躁鬱にかかり、哲学により解消されたという、哲学の事象の捉え方は、実に新鮮で頷くことばかりで、分かりやすく入って来た。
演題の「なぜ、人は助けるのか」に辿りつくまでに、哲学の視点から、人が陥りやすい思想の危険性と、共感に結びつく思考への内容が広がり、最終的に「人が人を助ける」条件がどういう場合か、との問いから、それが成り立つ関係性のあり方を解かれた。
共感によって相手の立場、状況を理解しようとすることができ、助けることが、できると。 
 
午前の最後のプログラムは、むたゆうじさんの「老に寄り添うコンサート」。
熊本県内で活躍するシガーソングライターでグループホーム喫茶去代表。
13歳から作詞作曲を始め、20歳の時に障がいある青年と出会い出前コンサートを開始された。
この日は、むたさんの楽曲を中心に歌われた。歌われたオリジナル曲の中で、ご自身の親の介護に向き合う中から生まれた曲は、胸が熱くなった。
曲を歌う前にむたさん「私は、長くご高齢の方々のお世話をしてきました、でも、自分の親が認知症になってしまってその介護にあたろうとするとき、なんにもできずにパニックになったんです。人様のお世話はできても、自分の親の介護にはうろたえたんです。」包み隠さず、胸の内を語られた。
生きることを深く思う歌の数々に胸に迫るものがあり、会場全体が暖かい笑いでいっぱいになる一体感が生まれた。
 
ふと思うと、わずかの時間ながら、音楽の力で共感することができた時間だったように思った。


佐久間さんのダンス
■肌から感じる動きの共感
午後からは、分科会で、私は、佐久間新さんが講師の「私たちが福祉施設で踊るわけ」に参加をした。
   
最初に、口から噴出される音や頬を叩いたりする音から声に変わる瞬間を感じる動きをする。
この声を探る動きに目が向いたきっかけは、佐久間さんが関わる障がいある男性が、ダンスの動きや口の動きを真似ても、声を出すことはやらないらしい。それは、日中過ごす施設の日常でも同様とのこと。ただ、その男性は、家では、家族を前に声を出しているとのこと。彼との関わりから、声がでるか出ないかの瞬間を探ってみようと思われたとのこと。
これには、驚いた。
   
その次に2人ひと組になり相手の背中から身体を揺すったり、なでたり。相手の具合を見ながら感じながら、される方はなされるがままに。体で会話をするような動き。揺すられる方は力を抜き、動かされることに身をゆだね、動かされていると、身体が熱くなってくる。
   
その後は、ゆっくり歩く動き。ジャワ舞踏の動きのゆっくり歩く動きを佐久間さんも見ながら真似て歩く。
前に出す足は、親指を引きずるように外側に円を描き着地は小指から、ゆっく親指に向け順に五指を降ろす。とにかくとにかくゆっくりとした動きで。
このゆっくり歩く動きは、佐久間さんが海外の施設で障がいある人とダンス作品を作った時の経験から来ている。
その障がいある人の中に目が見えず耳も聞こえない、盲ろうの男性がいらっしゃった。
佐久間さんは彼に、作品づくりの中で不安はないか、パソコンで尋ねたところ、「走る人がいなくて、ゆっくり歩く人だけなら大丈夫。突然走ってこられたら、よけられないが、ゆっくりならよけられる」と
  
このゆっくり歩く動きは、「じわーーーっ」の声も出しながら、とにかくゆっくり歩いた。2歩を10秒ぐらいで進む、そのぐらいのゆっくりした動きで。なかなか普段では感じ得ないスピード。しばらくこの調子で歩いていると、自然と呼吸もゆっくり長くなり、空気の揺れが感じられるような、そんな感じになってきた。
  
そして、次に、目を閉じて、この「じわーーーっ」の歩きをする。
とにかくゆっくり、人や物に触れても慌てることなくゆっくり向きを変えて歩く。目を閉じて歩き始めた時は、不安がよぎったが、それも歩き続けていると、壁や物、人に近づくとそれをジワーっと感じられて、その感覚が心地よくなってくるような不思議な感じがした。皮膚から、周りにいる人の熱を感じるような、喋らない動かない物や壁がそっとその存在を教えてくれるようなそんな感覚がして。目を閉じながらも、「じわーーーっ」の歩きを続ける中で、いつもとは異なる感覚が起きていることを感じた。
  
最後は、目を閉じ「じわーーーっ」と歩きながら20名の方が手探りで手を握り一つの輪になり、その輪が次第に小さく小さくみんなが近づいて一つの塊になった。
  
終わった後は、ボーッと、ホットした感じ、力が抜けたような感じだった。
 
午前と午後を通して、左と右の脳を気持ちいいくらいに動かした日だった。
「じわーーーっ」を時々思い出したい。佐久間さんに宮崎にも来ていただきたい。



  

Posted by いこいこ at 23:11Comments(0)